Conductive Coating
導電性フッ素樹脂コーティング
当社では導電タイプのフッ素樹脂コーティングを取り扱っており、 帯電防止用途において使用されています。導電性フッ素樹脂コー ティングは、従来のフッ素樹脂と同様に非粘着性や耐薬品性が向上するほか、防爆仕様や帯電防止の機能がプラスされるため、半導体関係やプラントなどで幅広く採用されております。
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安定した導電性能
フッ素樹脂は、優れた性質を持つ樹脂で非常に低い誘電率を有し高い絶縁耐力を誇ります。その反面、絶縁体は電子の移動が起こりにくいため、薬液や基材との接触・摩擦により、帯電することがあります。PTFE やPFA などの代表的なフッ素樹脂は、他の物資と比較しても絶縁性が高いため、帯電しやすく静電気によるトラブルが発生する可能性があります。
導電性フッ素樹脂コーティングでは、フッ素樹脂にカーボンブラックや酸化チタンといった導電材を複合させることで、導電性能を付与しています。導電性能によって、静電気によるトラブルを防止することが出来ます。引火性の材料による爆発や粉じん爆発といった被害を防げるほか、静電気による粒子や粉体の詰まりを抑制します。プラント製品で引火しやすく、腐蝕性が高い薬品を使用する配管、タンクなどに実績が多くあります。
体積抵抗値(参考値)
PTFE | >10¹⁸ |
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FEP | >10¹⁸ |
PFA | >10¹⁸ |
ETFE | >10¹⁶ |
導電コーティング | 10²~10⁹ |
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ノンブラスト加工※PTFE1コートのみ
通常工程であればコーティングの密着性を上げるため、下処理にサンドブラスト加工が必要となりますが、製品の歪みの原因となってしまうケースがあります。
導電性コーティングでは、ブラストなしの加工が可能な製品もあり、歪みの問題をクリアしています。
半導体や精密機械部品の帯電防止用途において、精度が厳しい部品に使用されています。
仕様 | 当社品番 | カラー | 表面抵抗値 | ブラストレス | 参考膜厚 | 加工温度 | 参考耐熱温度 | 耐薬品性 |
PTFE1コート | KPE-8048-1 | ブラック | 10²~10⁶ | ○ | 20~40μm | 280℃ | 220℃ | アルカリ不可 キシレン不可 メタノール不可 |
KPE-8348-1 | ブラック | 10²~10⁶ | ○ | 20~50μm | 190℃ | 160℃ | キシレン不可 | |
PTFE2コート | KPE-4148-2 | ブラック | 10²~10⁷ | × | 20~50μm | 380℃ | 260℃ | ○ |
PFA2コート | KPE-721-2 | ホワイト | 10⁶~10⁹ | × | 40~100μm | 380℃ | 260℃ | ◎ |
※1 上記は参考値であり、規格値ではありません。
※2 基材ブラスト処理した方がより良い密着性が得られます。