ページタイトル

Fluororesin Coating

フッ素樹脂コーティング

フッ素樹脂コーティング

耐熱性や耐薬品性、摺動性、非粘着性など、優れた性質を持つフッ素樹脂を母材にコーティングすることで、粘着物を引っ付きにくくしたり、物を滑らせる機能を付与する表面処理技術です。
その優れた特性からフライパンなどの食品業界から半導体製造関連装置まで幅広い業種に活用されており、主に付着防止、成型品の離型、滑り目的として使われています。

特徴

フッ素樹脂の代表的な以下の通りです。
非粘着性
フッ素樹脂は、非粘着性が優秀でほとんどの物に対して固着しません。
滑り性
摩擦係数は非常に低いため、滑りやすく、スティックスリップを抑制します。
絶縁性
優れた絶縁性があるため、フッ素樹脂で成形された皮膜は、導電することはありません。導電性タイプもございます。
耐熱性
フッ素樹脂は非常に高い温度で使用することが出来ます。
PTFE・PFAは、連続使用温度は260℃もあり、過酷な温度の中で特性を発揮することが出来ます。
撥水・撥油性
接触角が非常に高く、水や油を弾きます。

塗膜構造

2コート仕様

脱脂後に、母材表面にサンドブラスト処理を施します。コーティング面を細かい凹凸に加工することで表面積を増やし、後に行うコーティングをしっかり密着させることが出来ます。 
 
次にプライマー(金属と接着する樹脂)をコーティングします。フッ素樹脂は、分子構造上化学反応を起こしにくいため、あらゆるものが固着しにくい性質があります。そのため、金属に密着させようとしてもくっ付かないため、専用のプライマーが必要となります。プライマーが必要な塗膜は、フッ素樹脂の純度が高いもので、2コートと呼称されています。

1コート仕様

2コートに使用されるプライマーの成分が、フッ素樹脂にブレンドされている物で、1層で塗装する処理を1コートと呼称しています。 
 
この処理は表面にあるフッ素樹脂の純度が少し低く、そのためフッ素樹脂の特性も若干低くなります。しかしフッ素樹脂の性能が下がる代わりに、2コートと比較して耐摩耗など性能が上がるものもあります。そしてブラストなしでも金属に密着する製品などもあり、特徴のある表面処理が多いです。

樹脂ごとの特徴

PTFE
フッ素樹脂の中で最も多く用いられているのがPTFEです。非粘着性、離型性、低摩擦特性、耐熱性、絶縁性といった優れた特性を有しております。ピンホールが多いため、耐蝕目的には適切ではありません。1コートタイプと2コートタイプがあります。

PFA
特性はPTFEに類似している点が多く、非粘着性、耐熱性などに優れております。また、PTFEと異なり溶解粘度が低いため、ピンホールの少ない皮膜を得ることが出来ます。主に簡易耐蝕目的・離型目的で使用されることが多いです。
1コートタイプと2コートタイプがあります。(ノーピンホール仕様の耐蝕目的は別ページにて紹介しています。)

FEP
非粘着性に優れており、滑らかなピンホールの少ない皮膜を得ることが出来るため、耐薬品性にも優れております。
耐熱温度はPTFE、PFAと比べると低くなります。(ノーピンホール仕様の耐蝕目的は別ページにて紹介しています。)